日本人にとっての英会話の難しさ。単語、フレーズ暗記もいいけれど…

複数の外国人と日本人が集まって英語で会話をすることになった場合、日本人にとっての英会話の難しさについて。


単語やフレーズ暗記以外の観点から、英会話の難しさについて、以前短期留学していた際の友人が上手くまとめていたので紹介。以下、斜体部分は Why are Japanese a quite quiet? (原文は英文)より引用。日本語訳及び一部改変は本blog筆者による。


(略)
休憩時間中にイタリア人、フランス人、日本人の会話を聞いていた。


日本人:こんにちわ。調子はどう?
イタリア人:こんにちわ。元気元気。昨日の放課後ショッピングに行って...(5分)...でも、思うんだけど、...(3分)...君はどう思う?
日本人:あ…えっと、うん、そう思うよ。
フランス人:それはちょっと違うんじゃないかな。何でかって言うと、...(3分)...とにかく、君は普段から...
イタリア人:ちょっといい?イタリアでは大抵...(2分)...
フランス人:それは知らないけど、でも...(5分)...


上のような会話を聞いていて、日本独特の習慣を思い出した。日本人は親や先生から次のように教わる。

  1. 他人が話しているときは邪魔をしてはいけない
  2. 他人が話し終えてから自分の意見を言う
  3. 他人の話は最後までちゃんと聞く

(略)
結論として、(中略)どうしたらタイミングよく、自然に話に割って入ることができるかを学ばなきゃと思う。


上の会話例を読んだとき、「あぁ、あるある…」と忘れかけていた苦い思い出がよみがえった。1対1で話す場合や、日本人がビジネス上あるいは研究上有益な情報を持っていて、他の人らがその情報を知りたがっている場合はいいのだが、多国籍入り乱れた語学学校での休憩時間や、何かのパーティーに参加して日本人が自分一人のみとなるような場合、上の引用のような「日本人が終始笑顔でだんまりしている」状況に私達は陥りがちである。


ところで、多分に独断と偏見を込めた言い方になるが、「英会話が下手な外国人ってなかなか見ない」と思うのは筆者だけだろうか。語彙力は少ないし、文法問題ではよく間違いを犯すが、会話となると日本人から見て実に流暢に英語を操っているように見える外国人を今まで何人も見てきた。今まで直接話したことのある人だけでも韓国人、中国人、インドネシア人、フィリピン人、フィジー人、ドイツ人等の人たちの英語を聞いてきたが、1センテンスを滑らかにしゃべれない、なんて返事をしたらよいのか分からず黙り込む、ぱっと聞かれて自分の考えをぱっと答えられない等といった、日本人によくありがちな状況に陥るような人を思い出すことができない。

日本とは教育システムが違うし周囲の環境も異なるのは重々承知であるし、サンプル数が少ないのでとても一般化できるような話ではないが、それでもある程度似た思いを持つ人が多いのではないかと期待して書いてはいる。

以前、「大学を出たのに英語もできないのか」と、日本人は外国人に驚かれていると筆者の大学の先生が言っていたので、日本以外では大学を卒業する程度に教養・専門知識を身につけるような人は英語もできるのが普通だというのが一般的な感覚なのだろうか。

(「英語ができる」とは酷く曖昧な言い方だが、ここでは「大人向けに書かれた文章が理解できて、相手にストレスを与えずにスムーズに意思疎通できる」程度の英語力、というくらいの感覚で良いかと思う。)


現状、日本ではTOEICのスコアが進学、就職、昇進に際して重要な価値を持つ。論理的に考えていくら「おかしい」やら「意味が無い」と主張したところで、現実にはそのように各種制度が設計されている。なのでひとまずTOEICで800〜900程度のスコアを取れるように勉強することが多数の人にとって得となり得るのだが、TOEICはReadingとListeningのみの試験である。つまり一人で英語で書かれた文章を読むか、一方的に人の話を聞くといった、受信する能力のみを測るテストである。

しかし、日本を出たときに求められるのは自分から発信し続ける能力である。このことはいつも忘れないようにしたい。


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